空のハンターと呼ばれ徳川時代、タカ狩りに重宝されていたハヤブサだが近年、減少傾向にあり、環境庁のレードデータブックに分類されている。
 その希少価値の猛禽「ハヤブサ」が、新潟県の佐渡ヶ島で、この夏5ヶ所で営巣地が見つかり10羽のヒナの巣立ちが確認された。
 ハヤブサは、人の近寄れない断崖の岩棚で営巣する習性があり、かつては佐渡の海岸地帯で、数多く営巣地があったという。佐渡の各地に“タカ”の地名が何箇所もあることから、それは裏付けられ、徳川時代には佐渡からも、タカ狩り用のハヤブサが献上されたという記録がある。
 

 近年、佐渡でのハヤブサの生態は確認されていなかったが、一昨年つがいから一羽のヒナが誕生したのをきかっけに、この三年間にわたる観察の結果、去年、四羽、今年は十羽ものヒナが誕生した。
 佐渡の営巣地は、相川町から両津市にかけての約四十キロの海岸線五ヶ所で、今年のヒナの巣立ちによって現在、佐渡での生息数は、二十羽以上とみられる。
日本野鳥の会佐渡支部では「佐渡はエサとなるドバトなどの小鳥がたくさんいるうえ、環境が良いため」と見ている。春三月のペアリングから、抱卵〜子育て〜七月の巣立ちまで三年間にわたる一連の生態記録をまとめた中で、弱肉強食の鳥の世界の一面を垣間見ることができたのは、大きな収穫だった。
 

 それにしても、鳥の世界では“無敵”といわれる猛禽ハヤブサでありながら、鳥特有の警戒心が強いため、生態記録は超望遠レンズを駆使しての撮影がほとんどを占めた。
 私の写したカットは、ざっと二千コマに及んだ。この記録を通して、自然の大切さを感じてもらえれば幸いである。